卒業制作留学生監督に聞く - アニカレ広場

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先生のひとり言

卒業制作留学生監督に聞く

2013年09月04日

アニメーション学科 アニメーターコース2年 魏 斯曼(ギ シマン)さんにお聞きしました。

タイトル 「天国行き Yes or No?」 平成25年度卒業制作作品

1、 狙いとあらすじ
 単線が走る田舎情緒ある日本の春の映像を作りたかったので、駅を舞台にした高校一年生の純愛物語を創作しました。そして、五分間という短いアニメーションですが、見ている人を飽きさせないために、外形が変化する男の子の幽霊、中年のおじさんのような天使と天国行き列車、霊能力を持つネコなどの個性的なキャラクターや、時間軸をわかりやすくするために、天国行きの列車に乗り遅れてしまうハプニングなどを盛り込みました。
 主人公が天国に行くかどうかを決断する過程を「Yes or No?」として、タイトルに含めました。エンディングで圭一はYesを選んだように見えますが・・・。

天国行きYes or No!?

あらすじ
主人公圭一はある日、猫を助けるために事故に遭い死んでしまった。天国に行く電車に乗り込もうとしたところ、満員の幽霊に出会いその電車に乗り遅れてしまう。そして、次の天国行き電車が来るまでの二日間に、圭一は助けた猫の霊力を借りて好意を寄せていた菜々子に告白する。やがて、圭一の乗る天国行きの電車を見送った奈々子は悲しみくに暮れるが、その足元にいる猫の影は圭一そのものであった。

2、 作品やキャラクターの設定について
 圭一は高校一年生、奈々子のことがずっと好きでしたが、事故に遭い告白できずに死んでしまう。日本的な幽霊の姿をして頭に三角形の天冠を付けています。普段は可愛い幽霊の姿ですが、奈々子の前では、エネルギーを使って生前の姿そっくりに復元します。
 奈々子も高校一年生、圭一の幼なじみで、幽霊に出会っても驚かない少し気の強い所がある女の子です。
 猫、圭一に事故から救われた後は、霊力を発揮して奈々子が抱くと、彼女に圭一の姿が見えるようします。
 天使、滑稽な中年のおじさんのような姿をしています。天国行き列車も負けず劣らず奇天烈な外観です。

天国_色彩設定
天国行き電車_設定

3、 アニメーション制作での監督としての役割
 制作チームとしては10人です。主な役割である作画監督、背景監督、仕上げをクラスメートに委ね、私は各パートの監督役から上がってきたものにチェックを入れ、駄目出しをする立場に立ちました。監督とは別に、いくつかのカットの原画も担当しています。
 映像的な表現では、たとえば、奈々子が悲しげに振り向く動きを、その情感を表すにふさわしい動きを付けるために、最初に上がってきた動きよりゆっくりしたいので、動画の枚数を増やする修正などを行いました。

4、 現在の進行状況
 学園祭で公開する一分程度のPVの編集作業に入っています。アニメーション制作ソフトでシーンごとの映像を作り、それにアフターエフェクツでより光や影の効果を加えて、映像的な質感を高め情感が表現できるような加工を施しています。
 初めての作業なのと、映像に対して効果の付け方を納得ゆくまでやり直せるので、時間が掛かっています。また、出来上がったシーンをつないで見てみると、短かったり間延びしたりする感じがしてきます。それは、シーンごとのチェックでは見えてこなかった部分なので、本編の制作ではこの経験を活かして、シーンだけでなく全体の流れを意識しながら完成させたいです。

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