私たちの学校は夢を謳う学校ではありません。 - アニカレ広場

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学校長のコトバ

私たちの学校は夢を謳う学校ではありません。

2012年04月05日

逆の意味のように聞こえますが、あえて、表題のコトバを選びました。
つい先日、4月3日に行われた本校入学式典の、私の式辞です。『夢を謳わない』のは、皆さんの将来を『夢』ではなく、遂行可能な『目標』にして欲しいからです。
では、表題の内容(2012年入学式典 学校長式辞 抜粋)と、
原文(一部省略)、ご覧下さい。

○2012年入学式典 学校長式辞 抜粋
私は、仕事柄、そんな学生を沢山見て参りました。不器用かも知れない。下手かも知れない。でも、この業界に関する情熱、想いは誰にも負けない。そんな学生達が見せてくれる、素晴らしい成果。

それは、決して特別な人だけの特権ではありません。希望を持ち、思いを定めた時、夢は目標となります。私たちの学校は夢を謳う学校ではありません。皆さんの夢を目標とし、実現するための技術を学ぶ場です。

○原文(一部省略)
新入生のみなさん、本日はご入学誠におめでとうございます。
そして保護者の皆様方。本日はご多忙にも関わりませず、多数ご来場いただき、誠にありがとうございます。
また、ご来賓の皆様方。本校入学生の晴れの日にお集まりいただき、感謝の念に堪えません。心より御礼申し上げます。

また、一年前の震災で被災された方々、あるいは本日こうしてお越しいただいている方々のご関係の方の中にも、大きな災害に遭われた方々もいらっしゃることでしょう。心よりお見舞い申し上げます。また、被災された皆様方の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、新入生の皆さん。今日の式典の最初に、在校生声優学科の代表が、皆さんを迎える言葉を、温かいメッセージとして伝えてくれました。(毎年、式典の最初に、声優学科2年生による応援メッセージの朗読を行っています。)

さすが先輩だな、と思われたでしょうか?私なんか、できっこないと?それとも私ならもっと上手くできると…思いますか?
そう、そんな風に、これからは目の前に起こる様々な出来事に対して、敏感に、素直に反応して欲しいのです。

今日の入学式は、ただの式典ではなく、皆さんの将来を決定づける、この二年間、あるいは三年間の、記念すべきスタートの日でもあるのです。

我々職員は色んなものを皆さんに提供します。そのすべてにみずみずしい皆さんの感性で反応し、大いに化学変化を起こし、のびのびと成長して下さることを心から、望みます。

先ほどのメッセージを届けた在校生も、一年前はまっさらの状態で入学しています。どうか、良き先輩を目標に努力を続けて下さい。

また、卒業生の中にも活躍を始めている方が増えています。

声優学科卒業生の箸本のぞみさんは、小さい頃からの夢であった(株)81プロデュースの所属となることが出来ました。その箸本さんに続いて、本日の司会の佐藤めいさんも昨年の4月から所属が決まりました。
また、サヘル・ローズさんは今年の5月からNHKの新しい番組のレギュラーが決まっているそうです。

マンガ・イラスト学科卒業生、見崎なつみさんは『別フレ』から、依月リリーさんは『ベツコミ』から、そして中浦チカさんは『CIEL』から、坂元 輝弥さんはぶんか社「あなたが体験した怖い話」からデビューして頑張っています。

また、今年の4月から銀魂やガンダムで有名な(株)サンライズに就職の決まった新井さんをはじめ、TIGER&BUNNY、ギルティクラウン、ペルソナ、鋼の錬金術師、ワンピース等々、皆さんのよくご存じなアニメーションのほとんどに本校卒業生が関わっているのです。

また、大阪のグループ校からも、多くの先輩が巣立っています。
本式典の開催前に場内に流していただきましたが、
グループ校のキャットミュージックカレッジ専門学校 卒業生、泉綾菜さんがエイベックスより、3月14日デビューしています。

他にもグループ校からは玉置成実、サンセットスイッシュ、タイナカ彩智、杉本有美、徳永えりなど、多くのアーティスト、タレント、俳優を生み出しています。

そのエネルギーを皆さんにも感じ取って欲しいと思います。

そして、この問いかけを改めて皆さんに投げかけようと思います。「彼らのようになるために、必要なことは何でしょう?アニメーション業界で活躍するために大切なものは?」

運でしょうか。チャンスでしょうか。それとも才能でしょうか。
本校はいずれも違うと考えています。

何よりも大切なモノは、『好きだ』ということ。
絵を描くことが、演じることが、何よりも好きで、そしてどうしてもアニメータ-になりたい、マンガ家になりたい、声優になりたいと思っていること。

そう思って、一途に努力すること。天才でなくても、誰よりも運が強くなくても、自らの力で道を切り開く人の前に、初めて『道』は出来るのだと思います。

私は、仕事柄、そんな学生を沢山見て参りました。不器用かも知れない。下手かも知れない。でも、この業界に関する情熱、想いは誰にも負けない。そんな学生達が見せてくれる、素晴らしい成果。

それは、決して特別な人だけの特権ではありません。希望を持ち、思いを定めた時、夢は目標となります。私たちの学校は夢を謳う学校ではありません。皆さんの夢を目標とし、実現するための技術を学ぶ場です。

一つ一つ、乗り越えていきましょう。そしてその途中に立ちはだかる様々な苦労や困難は共に乗り越えて参りましょう。

そしてもう一つ。『人に優しいこと』。これも是非、守って下さい。人は一人では生きていけません。どんなアニメ作品も、数え切れない多くの人たちの努力の結晶です。どうか、本校で多くの友人を作って下さい。同じ努力を共にする仲間は、生涯の友となることででしょう。

人に優しく、自分に厳しく…そう務めていれば、必ず色んな人が皆さんを助けてくれることと思います。又、皆さん自身も、人を助けることが出来るはずです。その上で、決して皆さんが個々に抱いた夢を…忘れないで下さい。人に優しく、自分に厳しく、そして自らの夢を決してあきらめない。これは今までに私がこの業界で出会い、助けていただいたすべての人に共通しています。どうか、このことをしっかりと胸に刻んで下さい。

今や日本のアニメーション作品は世界中で愛され、皆さんが関わるマンガやアニメ作品は世界中で読まれ、愛されることでしょう。

また、それらの作品は、皆さんがそうであったように、生きる希望や勇気、そして夢を与える事の出来る、素晴らしい仕事です。

その可能性は無限大と言えると思います。だからこそ、この二年間、あるいは三年間やり残すことの無いように、しっかりと学んで下さい。

また、本日お越しいただいているご来賓の方々をはじめ、数多くの業界の先輩方のおかげで、皆さんの未来への橋が渡されていることも決して忘れないで下さい。
日本のアニメーション産業が、世界に誇れる水準にあるのは、全て業界の先輩方のおかげなのです。後に続く皆さんは、決してこの事を忘れないで下さい。

来週から授業が始まります。どうか、精一杯学んで下さい。また、精一杯、友と有意義な時を過ごして下さい。

二年後、あるいは三年後。皆さんと栄えある喜びの日を迎えることを誓いまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

本日はご入学、誠におめでとうございます。

2012年4月3日(火)
学校法人 創都学園
東京アニメーションカレッジ専門学校 入学式典にて

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