7/21(日)  声優:阪口大助トークショー - アニカレ広場

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来校ゲスト帖

7/21(日)  声優:阪口大助トークショー

2013年09月30日

7月21日(日)夏のアニカレ祭のゲストとして、TVアニメ「銀魂」志村新八役、「氷菓」福部里志役そして「もやしもん」沢木惣右衛門直保役でおなじみの阪口大助さんにお越し頂き、トークショーが開催されました。司会は学校長と声優学科2年生、近藤彩乃さんが務めました。

Q:声優になろうと思ったきっかけを教えてください。
小学校の頃にガンダムを観たのがきっかけで、アニメに興味を持ったんですよね。そのときからガンダムシリーズをずっと観てきて、Zガンダムを観たときに声優さんのお仕事に興味を持ち始めました。Zガンダムのカミーユというキャラクターの主人公っぽくないところ(ウジウジしてたり、すぐにキレるところ(笑))がとても新鮮で好きでしたね。そこからキャラクターを演じる声優さんって面白そうだなと思うようになりました。

声優になって1年くらいは、ラジオのCMや世界ふしぎ発見などのテレビの再現VTRに出演したりしていました。アニメですと、セーラームーンのガヤのお仕事などをさせて頂いていましたが、きちんと口に合わせて声をあてた仕事というとVガンダムが初めてでした。やはり自分がずっと観ていた作品ということと、いきなりの主役でしたのでプレッシャーも感じていましたが、ことが大きすぎて実感が無くてフワフワしていましたね。当時のことを思い出そうとしても思い出せないくらいです。責任が重過ぎて憧れの作品に出演できるという喜びより、不安が大きかったんですね。富野監督も怖かったですし(笑)僕は養成所で何事にも元気にしっかり「はい!」と応えなさいと指導を受けていたので、何事にも「はい!」と返事をしていたら富野さんに「出来ないのに返事するな」と怒られたりもしましたね。常に「失敗できない」という思いがあって、「遅刻しちゃいけない!」とか「しっかりしないと!」とか緊張感がある生活を送っていました。初日は10時スタジオ入りだったのですが7時にはすでに現場に着いてたくらいに(笑)現場では泣きそうな思いを何度もしましたが、最初に厳しい現場を経験出来て、声優としての基礎を作って頂けたので良かったと思います。

Q:普段お仕事をする上で気をつけていることを教えてください。
丈夫になることです。風邪を引かない。そのことに限ります。いくら収録といってもアフレコ現場では、マイクの前で掛け合いをするじゃないですか?そこで当日自分が欠席してしまうと迷惑をかけてしまうので、現場に穴を開けないように常に健康でいることは大切です。

Q:アニメ「銀魂」で2006年に番組がスタートしてから7年間、志村新八役を演じてこられて思い入れも一入かと思いますが、新八とは阪口さんにとってどのような存在ですか?
新八に限らず、どのキャラクターも自分の体の一部なんだなあという気がしますし、長さでいえば「あたしンち」のユズヒコ役の方が長いんですよ。でもやっぱり新八にも思い入れはありますし、影響も大きいと思います。キャラクターを演じるときは、自分の中の引き出しから出して演じているのですが、特に新八は銀魂の中でもあまりデフォルメされていないキャラクターだったので、自分に近い部分は素の自分を出しながら演じていました。でも、最近演じさせて頂いた役の中で自分に一番近かったキャラといえば、氷菓の福部里志だったと思います。自分はよくリアル新八って言われたりしていますが、僕的には里志の方がはるかに自分に近いキャラだと思っています。あの面倒くさいところとか…(笑)

声優の仕事は仕上げの部分
銀魂ってアドリブが多いってイメージなのかもしれませんが、実は銀魂のセリフは台本です。銀魂だけでなく、全てのアニメにおいて言えると思うのですが、脚本、演出家の方たちが考えた面白い台本を僕達が壊す訳にはいかないんですよ。それをさらに面白くするのが僕達の仕事なんですね。原作があって、脚本があって、動画があって…アニメーションって大勢の人たちが協力して作りあげているもので、そこで声優の仕事は仕上げの部分なんですよね。ショートケーキでいうところのイチゴの部分っていうのかな?そこまでにスポンジつくったり、生クリームを作ったりデコレーションをしてきて最後に腐ったイチゴを乗っけたらそのケーキは台無しになってしまうじゃないですか?それと一緒です。それまでのいろんな人たちの努力を無にしてはいけないですからね。

Q:台本を集中して読む場所はどんなところですか?
集中…。集中しないですね(笑)集中しないでTVとかを観ながら台本はチェックしています。ニュースやドキュメンタリー番組をよく観ながら…。でも、十人十色で、いろいろな台本のチェックの仕方があります。自分は現場で演技を組み立てるタイプですが、家で演技をしっかり組み立てていらっしゃる方もいます。みなさんも自分に合った台本の読み方をそれぞれ探していって頂ければと思います。

Q:演じていて一番楽しかった役と辛かった役と教えてください。
基本的に全部楽しいんですけど…あえて言うなら悪役ですかね。悪役は普段絶対に言わないようなセリフとかを言えたりするので、それはもう役者として楽しいです。あと、人ではないもの。ポケモンとかですね。あとは、ラブコメも楽しいです。中学、高校時代に出来なかったちゃんとした恋愛が疑似体験できる楽しさもあります(笑)「夏祭り行こうか?」みたいな(笑)

Q:ラジオなどで、フリートークが苦手なのですがどのようにすれば上手くなりますか?
フリーでしゃべれって言われたときに引き出しがないと、何もしゃべれないですよね?普段から人とたくさん会話をしておくと良いと思います。しかも、できるだけ趣味の違う人と。例えばラジオでゲストさんがいらっしゃるとして、自分と同じ趣味の人がゲストで来る可能性なんてそうそう無いですよね?そして、さあ会話をしよう!ってなったときに、他の引き出しがないと当たり障りの無い天気の話とかしか出来なくなっちゃいますよね。それでは、つまらないラジオになってしまいます。なので、出来るだけ僕もいろいろな情報は仕入れるようにしています。ラジオだけでなくお芝居でも生きてきますからね。

Q:辛い壁に当たったときに乗り越えるアドバイスをお願いします。
壁が無い人生なんて無いですからね。みんな壁にぶち当たります。そこで、当たった時にどうしようか?って訳ですけれども、僕の場合は結構幅広い趣味を持っているので、逃げ道が作れるんです。例えばお仕事で行き詰ったとき、アニメしか趣味が無いと「仕事で行き詰って苦しい…」「じゃあ趣味で気晴らししよう!」って思ってアニメを観て気晴らししようとしても、「ああこのオーディション落ちたやつだ…」とか「この人演技うまいなぁ」とか考えてしまって全く気晴らしにならないんですよ。結局、好きなことを仕事にするということはこういったデメリットもあるんですよね。そんなとき、「サッカーして汗かきましょう」とか「ちょっと旅にでます」とかもう一つ逃げ道があると楽になると思います。壁から逃げようというのではなく、ずっと壁と向き合っているだけだと何も見えないこともあるので、別の角度から壁を見てみることも大事だと思います。

最後に、参加者全員と記念撮影をし、この日のゲストトークショーは終了しました。集合写真はポストカードにして参加者全員にプレゼントします。楽しみにしていてくださいね!阪口大助さん、お忙しい中、ありがとうございました。

なお、当日の午前中は恒例の在校生向け特別授業!
いつか現場で出会う後輩達に大先輩の阪口さんから熱いメッセージを頂き、声優や演技について多くを学ぶことができました。

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