アニカレ・ダイアリー
アニメーション学科卒業生 座談会 vol.1
宍戸俊介さん
㈱ボンズ
「モブサイコ100」
「文豪ストレイドッグス」
「赤髪の白雪姫」
「血界戦線」
前田ゆり子さん
㈱J.C.STAFF
「タブー・タトゥー」
「食戟のソーマ」
「へヴィーオブジェクト」
「ふらいんぐうぃっち」
春山育子さん
㈱プロダクションI.G
「ハイキュー!!」
「黒子のバスケ」
「ジョーカー・ゲーム」
久保田由華さん
東映アニメーション㈱
「ワンピース」
「魔法つかいプリキュア!」
「ドラゴンボール超」
塚本直重 先生
デビュー・就職担当
アニメーション業界で働くということ――。
現場で活躍中の卒業生の本音とは?
塚本: 早速なんですが、自己紹介を兼ねて皆さんの最近の近況を教えてください。
前田: 私は今、「タブー・タトゥー」という作品で作画監督と原画を担当させて頂いています。
宍戸: あ!その作品知ってる!
前田: 知ってます?ありがとうございます。その作品はアクションをとても多く使っていて、普段あまりアクションを描かないので頑張っています。
塚本: 今まで携わっていた作品に比べて、作画の難易度も上がっているということですか?
前田: 日常生活の作画も難しい事には変わりないのですが、アクションになると作画の枚数も多くて…特に今回の作品はカメラワークにもこだわっていて背景動画もあるので大変なのですが、新鮮味があります。
塚本: 前田さんは作画監督を担当するようにまでになったんですね。
前田: 去年頃から任せてもらえるようになりました。最初、作画監督ってあまり良い印象はなかったのですが、実際経験してみたら、大変だけど作品に対しての影響力はとてもあるなと思いました。そこを楽しめれば辛いだけの仕事ではないので、作画監督になって良かったなと思います。
春山: 私は最近はもうずっと「ハイキュー!!」を描いています。10月から始まる3期は、ほとんどのシーンが試合なんです。作画の枚数も多くなります。特にボールは基本的に3Dなのですが、回転の動きは作画で行っています。1秒間の回転数なども決まっていて、バウンドすると回転数が変わったり…バレー経験がないので大変です(笑)
前田: 今は一原(第一原画)?
春山: はい。レイアウトを担当させてもらっています。原画になって1年ちょっとなのですが、自分の思い通りに描けた時とか、演出さんから褒めてもらえたときは、やりがいがあります。出来る限り努力した作画を、良いって言ってもらえるとやっぱり嬉しいですよね。動画でも原画でもどのポジションでも常に作品を良くしたいという気持ちを持って仕事をしています。
塚本: クリエイターだね。自分が担当したものは絶対良いものを作っていこうという気持ちは大切だよね。宍戸君は最近は何の作品をしていますか?
宍戸: 「文豪ストレイドッグス」と「モブサイコ100」をやっています。モブサイコの方では動画検査をやっています。
塚本: まだ原画はやらないんですか?
宍戸: 今は動画が面白いので、急いで原画に行くこともないのかなと。
塚本: 動画検査というと、業界にいない人は聞きなれない職種だと思うのですが、具体的にどんな仕事ですか?
宍戸: 名前の通り、動画がきちんと出来ているか確認、修正したりします。描く以外にもスケジュール管理とかもしています。アニメ制作全体のスケジュールを管理している制作進行さんはいるのですが、動画の仕上がりのスピードとかって現場にいる自分が一番分かっていることなので、動画部分の制作進行さんのサポートという感じです。
動画をしていた頃は自分だけで完結する作業だったのですが、作画監督や仕上げの方ともやり取りが多くなり大変ですが、でも苦労した分、良い作品が出来ると嬉しいし、やりがいがあります。
塚本: 久保田さんはいかがですか?
久保田: 私は4月に入社したばかりなので、まだ働き始めて4ヶ月くらいなのですが、会社で制作している作品「ワンピース」「ドラゴンボール」「プリキュア」などの動画を任せてもらえるようになりました。
塚本: 仕事には慣れてきました?
久保田: 職場の先輩も皆さん良くしてくれて、とても仕事がしやすい環境です。仕事する前はすぐに弱音をはいてしまうかなと思ったのですが、気付いたら半年近く経っていて、毎日充実しているんだなと思います。
春山: いいね。うらやましい。
前田: 仕事時間とかって決まっているの?
久保田: 最初の頃は定時で帰っていましたが、最近はゆっくり描いているのでちょっと遅く帰ったりしています。
塚本: 半年たったから、次の目標は1年続けることだね。
宍戸: あっという間だよ。きっと。
久保田: はい。頑張ります。