平成二十四年度 卒業式式辞 - アニカレ広場

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学校長のコトバ

平成二十四年度 卒業式式辞

2013年03月12日

平成25年3月11日(月)本校卒業式典 学校長式辞より

東京アニメーションカレッジ専門学校 総合学科、アニメーション学科、マンガ・イラスト学科、そして声優学科の皆さん。ご卒業、おめでとうございます。
心より、お祝い申し上げます。また、お忙しい中、あるいは遠方よりご来場いただきました保護者の皆様方。
高い席からではございますが、御礼と、そしてご卒業のお祝いを申し上げます。おめでとうございます。

また、先ほど式典にも先立ち、私の言葉を司会の方から伝えていただきましたが、改めて二年前の震災で被災された方々、また本日こうしてお越しいただいている方々のご関係の方の中にも、大きな災害に遭われた方々もいらっしゃることでしょう。心よりお見舞い申し上げます。また、被災された皆様方の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、総合学科の方は三年前。アニメーション学科・マンガ・イラスト学科・声優学科の方は二年前。入学式からいつの間にか年月を重ねましたが、過ぎ去ってみれば、走馬燈のような…という言葉通り、昨日のことのように思えます。

自らが決めた道を、自らの意志で、つらいことも楽しいことも友と分かち合った二年間、あるいは三年間。
それは、二度と戻らない、いわば「青春」と呼ぶべき日々でしょうか。
実際に経験している皆さん方からすれば、「青春」という甘い言葉だけでは片付けられない、様々な悩み、苦しみがあったことと思います。
そのことを承知の上で、敢えて申します。

この二年間、三年間で得た友、先生方、そして友や先生方と経験した様々な出来事…全てのことを一生の財産と思って下さい。

同じ夢を持つ友の存在が、どれほど貴重なことか。
自分の進もうと思っている道に、その先で待ってくれている先生方の如何に暖かいことか。
卒業した後、皆さんは実感されると思います。
自分の原点として、どうか大切にして下さい。

そしてその人生の原点となった場所へ、送り出して下さった保護者の皆様へ…
感謝の想いを忘れないで下さい。
誰よりも皆さんのことを想い、喜び、そして時には苦言を呈されることもあったかと思います。
そのこと全てを、感謝して下さい。そして、誰よりも身近な、偉大な人生の先輩である保護者の皆様の、学生である皆さん方への暖かいまなざしも、消して忘れないで下さい。

人は、ともすれば自分一人で生きているかのような錯覚を覚えます。
社会に出て、少し余裕が出来て、自分の思うように世の中が回り出したような錯覚を覚え、人のことを気にかけなくなることもあるかもしれません。

でも、そんな時は少し立ち止まって、自分の立っている場所を、ようく見てみて下さい。
皆さんがここに存在すること。皆さんが夢を持ったこと。友達と出会ったこと。この学校に来たこと。
オーディションに通ったこと。作品が世に出たこと。まだ、夢が実現していないこと。ほぼ、思い通りの進路が決まったこと。

全てはただの偶然ではなく、全てのことに、意味があるのです。そして、この世で起こることの中で、意味のないことなど、一つもありません。全てのことが、かけがえのない瞬間であり、後になって振り返ってみれば皆さんにとって大きな財産となっていることでしょう。
そのことに、既に気づいた人もいるでしょう。まだ、よく分からない人もいるかもしれません。
もう一度、ようく自分の周りを見回して下さい。皆さんの身近にいて、皆さんを支えてくれた存在に気づくことでしょう。
人は一人では生きられない、多くの人によって生かされているのだと、改めて実感することと思います。

でも、答えを急ぐ必要はありません。何故なら、自分の存在理由を探す旅は、今日ここから、始まるのです。
その旅の途中で、迷った時、つらい時、嬉しい時、どんな時でも、どうか、学校を思い出し、学校に訪ねてきて下さい。
本日の卒業証書授与式の後、学校に戻って、皆さんにGSSカードをお渡しいたします。
これは、卒業後、いつ訪ねてきてもいいように、第一期生からお渡ししているものです。
卒業後の就職相談、卒業後の教室のレンタル、卒業後の作品指導。
GSSカードがあればいつでも、学校を訪れることが出来ます。

今までにも多くのみなさんの先輩たちが、このGSSカードを持って、嬉しいこと、少し悩んだこと、大変だったこと、何でも相談に来てくれています。

中には、森田了介君のようにアニメのアフレコを始めた先輩やサヘル・ローズ先輩や箸本のぞみ先輩、株式会社サンライズの新井先輩やフリーで活躍中の安田先輩など、アニメーション作品のスタッフとして一線で活躍している先輩や、見崎先輩や依月先輩のように漫画雑誌に作品を次々と送り出している先輩もいます。
どうか皆さんも遠慮無く、母校を訪ねて下さい。

そして、皆さんを支える輪は、CATグループの各グループ校にも広がります。
本日はその中からお二人の校長先生にお越しいただきました。
まずは大阪アニメーションカレッジ専門学校、校長、井原延治先生、お願いいたします。

(井原校長 一礼)
 
続いて、キャットミュージックカレッジ専門学校、校長、美根宏史先生、お願いいたします。

(美根校長 一礼)

グループ校の音楽関係からは三代目 J Soul Brothersの山下健二郎、玉置成実、サンセットスィッシュ、タイナカサチ、徳永えりや杉本有美と、数多くのアーティストを排出いただいており、同じくグループ校の大阪アニメーションカレッジ専門学校からも、集英社『ザ・マーガレット』でデビューした渡まかなさんや、(株)JTBエンタティンメント所属の丸塚香奈さんなど、実際に仕事を始めて見るとその広がりに気づくことと思います。

そして、皆さんの旅立ちに際して、最後に。
いままで、皆さんが感動や喜びや元気を貰ったアニメーション作品、そしてマンガやイラストの数々。今度は皆さんが、その提供者となるのです。

その提供者となり、プロと認められるために重要なこととは何でしょう?
私は、多くの人の共感を得ることだと思います。声優として、アニメーターとして、マンガ家として、イラストレーターとして。人より秀でた結果を出すと言うことは、人とは違う、突飛なことをしたり、人がついていけない変わったことをすることでは決してありません。

多くの人が感動できる内容。多くの人が涙する内容。勇気をもらえる内容。それは、いつの時代にも変わらない、当たり前の事であったりすると、私は思います。

昨日、笑いましたか?友達と嬉しいことを共有できましたか?親しい人と喧嘩しましたか?仲直りできましたか?出来なかったことが、出来るようになりましたか?もうどうでもいいと、諦めたことはありますか?

誰もが日常経験していること。何でもないことに胸が切なくなったこと。大ヒットする作品のヒントは、意外にそんなところに隠れていると思います。

どれだけの人に、その想いを届けられるか。どれだけの人を幸せにすることが出来るか。どうか、精一杯、チャレンジしてみて下さい。

でも、どうしても進めなくなったら、いつでも学校に帰ってきて下さい。また、嬉しい報告にも、どんどん来て下さい。
それはデビューや就職ばかりではありません。結婚されたとき、あるいは皆さんが保護者になられた時。どんな時でも学校に戻ってきて、そして、皆さんと共に歩んだ先生方に会いに来て下さい。我々は、全ての職員と講師は、皆さんをあの高田馬場で、いつでも待っています。

そして皆さんと過ごした二年間を、三年間を、誇りに思っています。

全職員と講師の代わりに申し上げます。二年間、三年間の貴重な思い出を有り難う。

そして、皆さんを決して忘れません。
卒業生の皆さん。そして保護者の皆様方。
本日はご卒業、本当におめでとうございました。

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